食事管理ーダイエット

【脳科学ダイエット】科学に基づいて食欲を低減!?【理論&実践法】

【脳科学ダイエット】科学に基づいて食欲を低減!?【理論&実践法】

どーも、まことです。
今回の記事では、脳科学に基づいたダイエットについて解説していきます。

ダイエットしたい人
「ダイエットしたいんだけど、どうしても食べ過ぎてしまう・・・なぜ、周りの人たちは、なんで我慢できるの??」

こんな疑問を解決します。

本記事の内容は、論文の内容をベースに紹介していきます。
主に参考にしたのが、英語の論文であるため、脳科学の分野で一般的に使われている日本語とは違う訳語を使っている可能性があります。

 

脳科学に基づいたダイエットとは【3つの回路】

脳科学に基づいたダイエットとは【3つの回路】

脳には食事コントロールにかかわる回路が3つあり、その回路に適切に働きかけるのが脳科学に基づいたダイエットです。
3つの回路とは、空腹/摂食/満腹それぞれに関わる回路です。*1
これらに適切に働きかけることで、それほど無理なく健康的な体型を手にいれることができます。

とはいえ、脳科学に基づいたダイエットでも、6パックを手に入れるには努力が必要です。
このダイエット方法は、本来、人間に備わっている食事を制御するシステムに働きかけ、無理なく健康的な体形を手にいれる方法です。
しかし、この”健康的な”というのは、病気などにかかりにくいという意味で、カッコ良く/美しく見えるという意味ではありません。

6パック見える体脂肪率は、健康的な体脂肪率よりは低いため、多少の努力が必要になってきます。

 

空腹に関わる回路

空腹になると、AGRPニューロンと呼ばれる神経細胞が活性化されます。

AGRPニューロンが活性化されると、人は活動的になります。
活動的になることによって、冷蔵庫をあさったり、家にある食べ物を探し回ったりしてしまいます。
この反応は旧石器時代以前の狩猟時代であれば合理的な反応であり、空腹になることによって、狩りに出かける意欲・モチベーションが上がるというわけです。

また、AGRPニューロンの活性化は不快な気分も引き起こします。*2
ダイエット・減量中の人はイライラしやすいと言いますが、このことが原因かもしれません。

ちなみに、空腹時に活性化されるニューロンには、AGRPニューロンとPOMCニューロンの2つがありますが、短期的な人間の行動に影響するのは、AGRPニューロンなので、本記事では、AGRPニューロンに焦点を絞って解説しました。

 

消費にかかわる回路

前述のAGRPニューロンの役割は、食べ物を見つけるまでであり、その後は、ここから紹介する消費に関わる回路の出番です。

この回路に影響するのは、視床下部のニューロンです。
このニューロンは報酬や喜びのシグナルを出します。
食事を取ると、視床下部のニューロンが活性化され、報酬のシグナルを出します。

より美味しいものを食べている時ほど、報酬のシグナルが強くなり、特に、糖質や脂質を摂っている時に強くなります。
ジャンクフードならたくさん食べられるという人は多いですが、それは単にジャンクフードが美味しいからではなく、ニューロンがより活性化されることが原因なのです。
(食べ過ぎやすい食べ物・食べ過ぎにくい食べ物は次章で具体的に紹介しています。)

報酬を得ようとする力は強力なため、たとえ空腹でなくても一度食べ始めると止められないということが起きてしまいます。*3

また、報酬のシグナルは、空腹時により強くなることが明らかにされています。*4
「空腹は最高のスパイス」なんて言われたりしますが、これは科学的にも証明されているのです。

視床下部のニューロンの活性化は、次に紹介する満腹に関わる回路が働かない限り止まりません。
満腹を感じるニューロンを取り除いたマウスの実験では、マウスは食べ物が鼻から出る/胃が破裂するまで食べ続けたそうです。*3

 

満腹に関する回路

満腹に関する回路は名前の通り、満腹を感じ、食べることをやめるための回路です。
摂取したカロリーと体積に応じて、CGRPニューロンと呼ばれる神経細胞が活性化されます。
活性化されたCGRPニューロンが摂食の停止信号を送ることによって、人は食事を止めることができます。*5

CGRP ニューロンは病気の時、気分が悪い時にも活性化されます。*6
このような状況で食欲がわかなくなるのは、このニューロンの影響です。

CGRP ニューロンが働きやすい食事というのもあります。
食物繊維が多い/水分量が多い/栄養バランスが取れている食事はCGRP ニューロンを活性化しやすい、つまり満腹感を得やすいということです。

・脳には食事を制御する回路が3つあり、その回路に適切に働きかけるのが脳科学に基づいたダイエット。
・美味しいものは脳内で報酬のシグナルが強く発せられるため、食べ過ぎやすい
・食物繊維が多い/水分量が多い/栄養バランスが取れている食事は満腹感を得やすく、食べ過ぎにくい。

 

食べ過ぎにくい・食べ過ぎやすい食べ物

食べ過ぎにくい・食べ過ぎやすい食べ物

次に、食べ過ぎにくい食べ物・食べ過ぎやすい食べ物をそれぞれ紹介します。

消費に関する回路のところで、美味しいものを食べると脳内で報酬のシグナルが強く放出されるため、食べ過ぎてしまうと紹介しました。
便宜的に”美味しいもの”という言葉を使いましたが、美味しいものであればなんでも食べ過ぎてしまうわけではありません。

ここからは、具体的に、食べ過ぎにくい食べ物・食べ過ぎやすい食べ物を紹介していきます。

参考にするのは、”Which foods may be addictive? The roles of processing, fat content, and glycemic load.”という論文です。
この論文では、35種の食品について、中毒性を評価しました。
この中毒性ランキング上位18品を中毒性高いものとし、下位17品を中毒性の低いものとしました。

中毒性を1(まったく中毒性がない)~7(非常に中毒性がある)で評価しています。

中毒性が高いランキング

1 ピザ 4.01
2 チョコレート 3.73
3 チップ 3.73
4 クッキー 3.71
5 アイスクリーム 3.68
6 フライドポテト 3.60
7 チーズバーガー 3.51
8 ソーダ 3.29
9 ケーキ 3.22
10 チーズ 3.22
11 ベーコン 3.03
12 フライドチキン 2.97
13 ロール 2.73
14 ポップコーン
(バター味)
2.64
15 朝食用シリアル 2.59
16 グミ 2.57
17 ステーキ 2.54
18 マフィン 2.50

※”Which foods may be addictive? The roles of processing, fat content, and glycemic load.”をもとに筆者が作成.

 

中毒性が低いランキング

1 きゅうり 1.53
2 ニンジン 1.60
3 豆(ソースなし) 1.63
4 りんご 1.66
5 玄米 1.74
6 ブロッコリー 1.74
7 バナナ 1.77
8 1.84
9 とうもろこし
(バターなし・塩なし)
1.87
10 いちご 1.88
11 グラノーラバー 1.93
12 1.94
13 クラッカー
(プレーン)
2.07
14 プレッツェル 2.13
15 鶏胸肉 2.16
16 タマゴ 2.18
17 ナッツ 2.47

※”Which foods may be addictive? The roles of processing, fat content, and glycemic load.”をもとに筆者が作成.

 

ダイエットをしていると抗いようのない食欲に襲われることがあります。
その衝動すらも意思で押し込める人もいますが、なかなか難しい人もいます。

そんな人は、衝動に駆られても、ピザやチョコを食べるのではなく、きゅうりやニンジンを食べることによって、食べ過ぎてしまうことを抑えられるはずです。

 

以上、脳科学に基づいたダイエットついての解説でした。

人間は自分に起こっていることについて俯瞰的に理解することで、その衝動を抑えることができます。
例)怒っている時に「今、私は怒っている」と自分を俯瞰的に見ることで、怒りを抑えることができる。

なので、食べたい衝動にかられても、「今、私はこのメカニズムで食欲がわいている」と考えるだけでもかなり違うと思います。
細かなことですが、ぜひ実践してみてください。

 

参考文献

1.Sternson SM, Eiselt AK. Three Pillars for the Neural Control of Appetite. Annu Rev Physiol. 2017;79:401‐423. doi:10.1146/annurev-physiol-021115-104948 PubMed

2.Betley JN, Xu S, Cao ZFH, et al. Neurons for hunger and thirst transmit a negative-valence teaching signal. Nature. 2015;521(7551):180‐185. doi:10.1038/nature14416 PubMed

3.Kenny PJ. Reward mechanisms in obesity: new insights and future directions. Neuron. 2011;69(4):664‐679. doi:10.1016/j.neuron.2011.02.016 PubMed

4.Goldstone AP, Prechtl de Hernandez CG, Beaver JD, et al. Fasting biases brain reward systems towards high-calorie foods. Eur J Neurosci. 2009;30(8):1625‐1635. doi:10.1111/j.1460-9568.2009.06949.x PubMed

5.Campos CA, Bowen AJ, Schwartz MW, Palmiter RD. Parabrachial CGRP Neurons Control Meal Termination. Cell Metab. 2016;23(5):811‐820. doi:10.1016/j.cmet.2016.04.006 PubMed

6.Carter ME, Soden ME, Zweifel LS, Palmiter RD. Genetic identification of a neural circuit that suppresses appetite. Nature. 2013;503(7474):111‐114. doi:10.1038/nature12596 PubMed

7.Schulte EM, Avena NM, Gearhardt AN. Which foods may be addictive? The roles of processing, fat content, and glycemic load. PLoS One. 2015;10(2):e0117959. Published 2015 Feb 18. doi:10.1371/journal.pone.0117959 PubMed