サプリメント

【鉄】体内での働き・摂取量の目安【科学的解説】

【鉄】体内での働き・摂取量の目安【科学的解説】

どーも、まことです。
今回の記事では、鉄の働き、摂取量の目安、過剰摂取/不足するとどうなるかについて科学的根拠に基づいた解説をしていきます。

本記事は主に、厚生労働省が発行する日本人の食事摂取基準(2020年版)に基づいたデータを紹介します。

そのままの文章はかなり読みにくいので、本記事では要点をまとめたり、補足を追加して紹介しています。

 

鉄とは?

鉄とは?

鉄というと、鉄柱やボルトのような工業製品のイメージが強く、食品に含まれる鉄は、鉄といっても別物みたいな感覚があるかもしれませんが、同じものです。

ヘム鉄というのを聞いたことがあるかもしれませんが、タンパク質と結合した鉄のことをヘム鉄といい、それ以外の鉄を非ヘム鉄と言います。
この2つの大きな違いは吸収率で、ヘム鉄が10~20%で、非ヘム鉄は2~5%となっており大きな違いがあります。

 

鉄の効果

鉄の効果

鉄の体内での主な役割は赤血球の産生に利用されることです。
赤血球は全身の細胞に酸素を運ぶ働きがあるので、不足すると様々な害があります。
(詳しくは後述)

鉄は、ほかのビタミン・ミネラル同様に、たくさん摂ればより良い効果が得られるというものではないです。
特に、鉄は過剰摂取すると、様々な重篤な症状を引き起こすので、鉄は不足しないようにのみ摂取するべきです。

 

鉄の摂取量

鉄の摂取量

日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、18歳以上男女の1日あたりの鉄の推奨量は下記です。

男性:7.0~7.5mg/日
女性:6.0~6.5mg/日

 

月経中の女性は、月経血により鉄が失われるので、より多くの鉄が必要です。
18歳以上女性(月経あり)の1日あたりの鉄の推奨量は下記です。

女性(月経あり):10.5~11.0mg/日

また、妊婦や授乳婦の場合は、さらに多くの鉄が必要です。
その場合は、直接日本人の食事摂取基準(2020年版)を確認してください。

 

鉄の過剰症【摂りすぎると・・・】

鉄の過剰症【摂りすぎると・・・】

日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、鉄の過剰摂取の目安となる耐容上限量は下記のように設定されています。

男性:50mg/日
女性:40mg/日

平成30年国民健康・栄養調査報告によると、18歳以上の男女の鉄の摂取量は平均で7.9mg/日のため通常の食生活で過剰摂取になることはまずありません。
ただし、サプリメントを不適切に利用することによって、過剰摂取が起こる可能性があります。

鉄の過剰摂取
*3では、鉄サプリメントの使用が総死亡率を上昇させることが報告されており、さらに*4では、 組織への鉄の蓄積が多くの慢性疾患の発症を促進することが報告されています。
そのほか、肝障害などの可能性も報告されています。*5

以上のような症状を引き起こすため、鉄の過剰摂取を防ぐことは重要です。

 

鉄の欠乏症【不足すると・・・】

鉄の欠乏症【不足すると・・・】

鉄が不足すると、次のような症状が起きることが知られています。

・貧血*1
・疲労(運動機能の低下)*6
・認知機能の低下*7
・うつ病*8

 

鉄が赤血球の産生に使われ、赤血球が全身の細胞に酸素を運ぶ役割があるというのは前述しました。
鉄が不足し、赤血球が不足すると、細胞に酸素がうまく運ばれず、上記のような症状を引き起こします。

鉄不足とうつ病
鉄不足とうつ病の関係については、まだ不明確なところがあるようですが、鉄の摂取量が多いほど、うつ病のリスクが低くなるという調査もあります。*9

産後うつは、産後に体内での鉄の需要が増えることにより、鉄不足が引き起こされることが原因と言われたりもします。*8

産後うつの症状がある人に鉄を補給させたところ、症状が改善されたという報告もあります。*10

 

鉄の摂取方法

鉄の摂取方法

基本的に、鉄は食材から摂取するのがおすすめです。
サプリメントは手軽に鉄を摂取できますが、利用を間違えると、すぐに過剰摂取になってしまうからです。

鉄の摂りすぎは、メリットが1つもなく、デメリットが大きいです。
不足していない人は、できるだけサプリメントを摂取しないようにするべきです。
後述の鉄を多く含む食材を意識的に摂取して鉄を摂ってください。

 

鉄を多く含む食材

鉄を多く含む食材

最後に、鉄を多く含む食材を紹介します。

・豚レバー:13.0mg
・鶏レバー:9.0mg
・あさり(つくだ煮):18.8mg
・納豆:3.3mg
・ひじき(ゆで):2.7mg

すべて100gあたりの鉄(日本食品標準成分表より抜粋)

 

以上、鉄の働き、摂取量の目安、過剰摂取/不足するとどうなるかについての解説でした。

 

参考文献

1.厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版) リンク

2.厚生労働省 平成30年国民健康・栄養調査報告 リンク

3.Whelton PK, Appel LJ, Espeland MA, et al. Sodium reduction and weight loss in the treatment of hypertension in older persons: a randomized controlled trial of nonpharmacologic interventions in the elderly (TONE). TONE Collaborative Research Group [published correction appears in JAMA 1998 Jun 24;279(24):1954]. JAMA. 1998;279(11):839-846. doi:10.1001/jama.279.11.839 PubMed

4.He J, Whelton PK, Appel LJ, Charleston J, Klag MJ. Long-term effects of weight loss and dietary sodium reduction on incidence of hypertension. Hypertension. 2000;35(2):544-549. doi:10.1161/01.hyp.35.2.544 PubMed

5.Fischer JG, Glauert HP, Yin T, Sweeney-Reeves ML, Larmonier N, Black MC. Moderate iron overload enhances lipid peroxidation in livers of rats, but does not affect NF-kappaB activation induced by the peroxisome proliferator, Wy-14,643. J Nutr. 2002;132(9):2525-2531. doi:10.1093/jn/132.9.2525 PubMed

6.Brownlie T 4th, Utermohlen V, Hinton PS, Haas JD. Tissue iron deficiency without anemia impairs adaptation in endurance capacity after aerobic training in previously untrained women. Am J Clin Nutr. 2004;79(3):437-443. doi:10.1093/ajcn/79.3.437 PubMed

7.Murray-Kolb LE, Beard JL. Iron treatment normalizes cognitive functioning in young women. Am J Clin Nutr. 2007;85(3):778-787. doi:10.1093/ajcn/85.3.778 PubMed

8.Wassef A, Nguyen QD, St-André M. Anaemia and depletion of iron stores as risk factors for postpartum depression: a literature review. J Psychosom Obstet Gynaecol. 2019;40(1):19-28. doi:10.1080/0167482X.2018.1427725 PubMed

9.Li Z, Li B, Song X, Zhang D. Dietary zinc and iron intake and risk of depression: A meta-analysis. Psychiatry Res. 2017;251:41-47. doi:10.1016/j.psychres.2017.02.006 PubMed

10.Sheikh M, Hantoushzadeh S, Shariat M, Farahani Z, Ebrahiminasab O. The efficacy of early iron supplementation on postpartum depression, a randomized double-blind placebo-controlled trial. Eur J Nutr. 2017;56(2):901-908. doi:10.1007/s00394-015-1140-6 PubMed

11.文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂) リンク