筋トレ

運動強度が高すぎるとダイエットに不向き!?

どーも、まことです。
今日は、ダイエットに関する話題です。
運動強度による糖と脂肪の利用について話していきます。

はじめに

皆さんは、運動強度が高まると、脂肪の利用が減り、糖の利用が高まるというのを聞いたことがあるでしょうか?

人の体のエネルギー源としては、糖と脂肪の二つがあります。
もちろん、脂肪とは体脂肪のことで、上の話は、キツイ運動をすると、糖が使われ体脂肪はあまり減らないという意味です。

では、運動強度ができるだけ低い運動の方がダイエットに向いているのでしょうか?
それについて今日は解説していきます。

運動強度が高くなると糖の利用が高まる

糖は以下の理由から、運動強度が高まった際のエネルギー源として、脂肪より有利です。

体内を輸送しやすい
・エネルギーを取り出すまでの反応経路が短く、すばやくエネルギーを出せる
・エネルギーとして利用する際、酸素摂取量1 Lに対し、糖は5.5 kcalのエネルギーを取り出せるが、脂肪は4.7 kcal

このようにエネルギー源としての特性から見て、高運動強度時には、糖の方が有利です。

これらに加え以下の事実もあります。
・運動時には、アドレナリンが分泌され、アドレナリンは糖分解を高めるホルモンである。
・運動強度が上がると、脂肪細胞への血流が低下し、脂肪分解が進行しずらい。

以上のことから、運動強度が高くなると、糖の利用が高まります。
運動強度が高まると、糖の利用が高まるので、脂肪は利用されづらくなるということが、科学的根拠に基づいた事実としてそういうことができそうです。

では、やはり強度が低い運動の方がダイエットにいいのでしょうか?
もう少し見ていきたいと思います。

糖の利用は日本人の減量には無駄じゃない

高運動強度の際は糖の利用が高まるので、脂肪の減量には不向きというように思われるかもしれませんが、実はそうでもないのです。

というのも、平均的な日本人の摂取カロリーの55~60 %は糖質由来です。
エネルギーとして使われずに残った糖は、脂肪になって蓄えられます。

糖を利用するということは、運動をしなければ脂肪になるはずであった糖を消費することができます。つまり糖の利用は、脂肪の増加を防いでいるのです。

平均的な日本人の食事であれば、高強度の運動による糖の利用は、減量にとって全くの無駄になるというわけではありません。

運動強度による糖と脂肪の利用量の変化

下図は、運動強度の変化によるエネルギー供給源(糖と脂肪)の割合の変化を示したものです。
最初に高運動強度時には、脂肪より糖の利用が高まると述べましたが、この表現はすこし曖昧で、脂肪よりも糖の利用の比率は高まりますが、消費の総量で見たらある一定の運動強度までは、脂肪の利用も高まっているのです。

図の見方を説明していきます。

黒の太線が示すのが、エネルギー供給の総量です。
その下に、そのエネルギー源の内訳を示しています。
赤線が示すのは、LT(乳酸性作業閾値)と呼ばれる境目です。
LTといわれてもわからないという方がほとんどだと思いますが、ある境目のことで、この値を境に、エネルギー供給源の変化のしかたがそれまでと大きく変わるということだけわかれば大丈夫です。

図を見ると、エネルギー供給量中の糖の割合が増えてるのがわかります。

安静時には、糖と脂肪の利用割合は1対2ほどで脂肪が多いですが、運動の強度を上げていくと、糖の割合が増えていきます。
LTのあたりでは、糖と脂肪の利用割合はほぼ1対1になり、LTを超える強度では、糖によるエネルギー供給が中心になってきます。

高運動強度でも脂肪の利用が減るわけではない

下図は上で見せた図と同じものですが、再びこの図を使って、説明していきます。

上でも紹介したように、運動強度が増加するにともなって、総エネルギー供給量が増え、その中の割合として、脂肪よりも糖が増えています。

この説明だと、強度を強くしても、糖ばかり使ってしまうから、脂肪をへらせないの?と考えてしまう方もいるかもしれません。

でも、そんなことはありません。

図をみると、運動強度が増加すると糖の割合が増えているのはその通りなのですが、総エネルギー供給量の増加にしたがって、脂肪の利用の総量は増えていることがわかります。

つまり、LTを超さない運動強度であれば、強度が高いほどより多くの脂肪を利用することができるということです。

LTをこさない運動強度に調整するには、どのようにしたらよいかということが気になるところだと思います。

一般的にLTを超す強度では、「きつい」という感覚が出てくるといわれています。
例えば、ランニングをしていて、きつくて長く走り続けられないほどの速度は、LTを超す強度ということができます。
なので、できるだけ脂肪を消費したいと考えている人は、LTを意識して、運動すると良いです。

 

参考文献
安部孝,琉子友男「これからの健康とスポーツの科学」
Brooks, GA「Exercise Physiology, Human Bioenergetics and Its Applications」
八田秀雄「エネルギー代謝を活かしたスポーツトレーニング」