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インスリンとは?筋肉・体脂肪への作用は?【徹底解説】

インスリンとは?筋肉・体脂肪への作用は?【徹底解説】

どーも、まことです。
今回の記事では、インスリンの筋肉と体脂肪に関する作用について解説します。

「インスリンが筋肥大に影響するというのを聞き、いろいろ調べてみたけど、いまいち理解できない・・・」

こんな人にむけて、できるだけわかりやすくインスリンの作用について解説します。

インスリンは筋肥大に最も必要なホルモン

インスリンは筋肥大に最も必要なホルモン

筋肉を増やすことに関するホルモンとしては、成長ホルモンや男性ホルモンなどが思い浮かびます。
しかし、筋肉を増やすときに最も重要なホルモンはインスリンなのです。

インスリンは糖質・脂質・タンパク質の3つの代謝に影響します。(具体的な作用は下記です。気になる人以外はさらっと読み飛ばして下さい。)

糖代謝
・筋肉、脂肪組織のブドウ糖の取り込み促進
・筋肉、肝でのグリコーゲン蓄積
・肝からの糖放出の抑制
脂質代謝
・肝、脂肪組織での中性脂肪合成の促進
蛋白代謝
・筋肉組織での蛋白合成促進、アミノ酸の取り込み促進、アミノ酸の蛋白への取り込み促進

(インスリンの生理的作用より引用)

 

インスリンは、筋肉のエネルギー補給を促進したり、筋肉の合成を促進したりします。
しかし、良い点ばかりではなく、中性脂肪の合成を促進するという悩みどころもあります。

 

インスリンの筋肉に関する作用

インスリンの筋肉に関する作用

前述の引用だけでは、インスリンの効果をよく理解できないと思うので、もう少し詳しく解説していきます。

まずは、インスリンの筋肉に関する作用について紹介します。

インスリンの筋肉に関する作用

・筋肉へのブドウ糖(グルコース)の取り込みを促進
・筋肉の合成促進と分解抑制

 

筋肉のブドウ糖(グルコース)の取り込みを促進

筋肉が働くときのエネルギー源は、筋肉中に貯蔵されているグリコーゲンです。
グリコーゲンは、筋肉に取り込まれたブドウ糖(グルコース)から合成されます。

エネルギー源の貯蔵量が増えるためトレーニングの質の向上を見込めます。

 

筋肉の合成促進と分解抑制

インスリンには筋肉の合成を促進し、分解を抑制する効果があります。

実は筋肉は常に合成と分解を繰り返しています。

合成量=分解量の場合は、筋肉量は不変です。
合成量>分解量の場合は、筋肉量は増加します。
合成量<分解量の場合は、筋肉量は減少します。

このように、筋肉量は合成と分解のバランスによって決まります。

インスリンは合成を増やして、分解を減らすため、結果として、筋肉量を増やしてくれる働きがあります。

 

インスリンの体脂肪に関する働き

インスリンの体脂肪に関する働き

次に、インスリンの体脂肪に関する作用を解説していきます。

インスリンの体脂肪に関する作用

・体脂肪を合成する酵素の働きを促進
・体脂肪を分解する酵素の働きを阻害
・脂肪細胞へのブドウ糖(グルコース)の取り込みの促進

 

体脂肪に関する酵素への作用

体脂肪の量に影響する酵素としては、リポタンパクリパーゼ(LPL)とホルモン感受性リパーゼ(HSL)があります。

LPLとHPLのそれぞれの働きは以下です。

LPLは体脂肪を合成する
HPLは体脂肪を分解する

インスリンはLPLの働きを助け、HSLの働きを阻害する作用があります。

 

脂肪細胞へのブドウ糖(グルコース)の取り込みの促進

筋肉においての働きと同様に、インスリンは血中のブドウ糖(グルコース)を脂肪細胞に運び入れる働きがあります。

とは言え、脂肪細胞に運び込まれるブドウ糖は全体の3%程度とされているので、あまり多くはありません。

これらの作用からわかるように、インスリンは筋肉だけでなく体脂肪も増やしてしまうホルモンなのです。この作用は後述のブドウ糖の取り込みよりも影響が大きい作用です。

 

インスリンの効果を最大化する方法

インスリンの効果を最大化する方法

インスリンは筋肉だけでなく体脂肪を増やしてしまうのであれば、どうしたらよいかと思った人もいると思います。

ここからは、インスリンの筋肉への良い効果を増やし、体脂肪への悪い効果を減らす方法を紹介します。

タンパク質と糖質を同時摂取する

インスリンは血糖値が上昇すると分泌されます。そのため、「糖質を摂取する=インスリンが分泌される」となります。

インスリンが分泌されているタイミングで、タンパク質を摂取しておくことで、インスリンの筋肉合成の効果を最大限に活かすことができます。

 

脂質と糖質の同時摂取を避ける

前述したとおり、インスリンは血糖値が上昇すると分泌されます。

糖質を摂る、つまり、インスリンが分泌されているタイミングで、血中の脂肪(遊離脂肪酸)まで多いと、体脂肪の合成が促されてしまいます。

インスリンの体脂肪を増やす効果を最小化するためには、脂質と糖質を同時に摂取しないようにするのがよいです。

糖質の大量摂取を避ける

脂質を摂取していなくても、糖質を過剰に摂取すると、糖質と脂質を同時摂取した状況と同じになってしまいます。

なぜなら、グルコース(ブドウ糖)が過剰になると、体内で過剰な糖質は脂肪酸に変換されてしまうからです。発生した脂肪酸は体脂肪なってしまいます。

 

筋肉量を増やす

筋肉量を増やすことは、インスリンの体脂肪への効果を減らすことになります。

インスリンは筋肉にも体脂肪にもブドウ糖(グルコース)を運び込むと紹介しましたが、むやみやたらにブドウ糖(グルコース)を運び込んでいるわけではありません。

インスリンは、筋肉→肝臓→体脂肪という順に働きかけます。(インスリンヒエラルキーと呼びます)

つまり、筋肉が多いほど、脂肪に運び込まれるブドウ糖(グルコース)を減らせるということです。

筋肉量が増えると太りにくくなると言いますが、これは基礎代謝が高くなるだけでなく、インスリンの働きも関係していたのです。

 

インスリンに関しての最新の研究

インスリンに関しての最新の研究

最後にインスリンに関しての最新の研究について紹介します。

ここまで紹介してきたように、インスリンには筋肉にエネルギー源を運びこむ作用や、筋肉の合成を増やし、分解を抑制する効果があります。

そのため、筋トレ中にアミノ酸(筋肉の材料)と糖質(インスリンの分泌を促す)を摂取することは筋肉量を増やすために有効とされてきました。

しかし、最新の研究では、インスリンの筋肉への作用は、タンパク質を摂取することによっても得られ、代替可能であるという主張が出てきています。

ある研究では、トレーニング後にタンパク質のみを摂取するグループとタンパク質+糖質を摂取するグループに分けて、筋肉の合成量と分解量を比較しました。*1

この研究の結果としては、両グループにおいて差が見られませんでした。

とはいえ、インスリンがブドウ糖(グルコース)を筋肉を運び込む効果は、筋肉の疲労回復にも良い効果があるとされているので、上記の研究をもって、タンパク質摂取にて完全に代替可能と断言はできません。